【Wingsこそだてゼミ】第2回:子どもを幸せにする子育てって?

たくさんの情報があふれる子育てには、毎日いろんな悩みがつきものです。

その中で主観だけにとらわれず、科学的に正しいとされたことに基づいて子育てをすることの大切さについては、前回のブログでお話しました。

そんな悩みの尽きない子育てですが、お母さんお父さんが一番に願うことは、「うちの子に幸せになってほしい。」ということではないでしょうか。

いい大学をでてほしい

いい仕事についてほしい

健康で長生きしてほしい

結婚して家庭を築いてほしい

ただ幸せと言っても、まず思い浮かべるものは人それぞれだと思います。

一方で、どういう人が幸せに生きられるのかという科学的な研究も進んでいるんです。

そんな「子どもを幸せにする」という子育てのゴールについて、幸せになる科学的な方法を調べるものであるポジティブ心理学の研究も覗きつつ、一緒に考えてみましょう。

このブログはこんな人に読んでほしい

  • これから子育てが始まる方
  • 現在2〜5歳のお子さんをお持ちの方
  • 子どもを幸せにするヒントが欲しい方
  • 子育て方法について模索中の方

今回のWingsこそだてゼミでは、科学の力で明らかになった「幸せ」について、子育てという視点から見ていきます。

目次

子どもの幸せの可能性を広げるために

「子どもを幸せにしたい」
そう願って、お母さんお父さんは毎日試行錯誤を繰り返していると思います。

子育ては子どもの人生の土台を作るものです。だからこそ、子どもたちがどんな大人になったら幸せなのかを考えることもとっても大切なんです。

今回は、どんな大人になったら本当に幸せなのか、Wingsこそだてゼミの2人と一緒に考えてみましょう。

ママとパパの考える子どもの幸せって?

ではまず、子育ての最終ゴールを子どもを幸せにすることと考えたときに、お母さんお父さんは何を考えるんでしょうか。

「いい大学に行く」「いい仕事に就く」「思いやりのある人になる」など、幸せと聞いて思い浮かべるものは様々です。

ママやパパの願う幸せについて、ベネッセが2018年に行ったアンケートがあるよ。

そのアンケートによると、
全国の保護者約7500名のうち、将来に期待することとして一番多かった回答は
「手に職をつけてほしい」で約87%だそうです。

保護者が子供の将来に期待すること:第1位は仕事に就くこと

これは自分で自立して生きられるようになってほしいって願いですね。

一方でこんな研究もあるよ。
アメリカのコーネル大学が約100歳の1500人を対象にして、「人生で後悔していること」を調べたら、一番多かったのは仕事についての後悔だったそうだよ。

仕事の選択が人生の幸せに大きく関わってくるんですね!

幸せに必要なのは収入じゃない?

子供の将来の幸せについて考えたとき、最初に思い浮かべたのは学歴・収入・地位などかもしれません。

でも、科学的にはそれらの「他の人と比較して幸せを感じられる要素」は、実は幸福度にはつながらないと言われています。

では、何が本当に幸せになるための要素なのでしょうか?

ポジティブ心理学から見ると、健康・自由・愛情など、そのもの自体が幸せを与えてくれるものだといいます。

内閣府の調査でも、現代では働くことの意義は、
安定していることや収入だけではなくて、やりたい仕事なのか・やりがいがあるかなど、質も重要だと言われているんだよ。

仕事の満足感には、安定だけでなくその質も重要

その他にも、自分の「強み」を知っている人のほうが幸福度が高いことがわかっています。

自分の強みを知らないことを1とすると、強みを知っている人が9.5倍、知っていて使っている人は19倍も幸せであるというニュージーランドの研究もあるんです。

「できる」を広げる子育て

仕事をしていればどんな内容でもいいわけではなく、働きたいと思う仕事・環境で働けているということが大事だということがわかりました。

そして、自分の強みを知っていて、かつ実際に活かしている人が幸せであるということもわかりました。

しかしながら、どんなにやりたいことを見つけても、自分に実現する力がなかった場合には、残念ながらその選択肢は叶えられないものになってしまいます。

つまり、自分にとってやりたいことが見つけられるかということの他に、自分にとってそれが選択可能かどうか、すなわちそれが自分にとって「できること」かというのも大切な要素なのです。

そのため、「やりたいこと×できること」の中で自分の人生を充実させる事ができず、しょうがなく自分のできることの範囲の中で生きている、つまり「やりたくないこと×できること」を仕事にしてりしている場合は、仕事への満足感が低かったり閉塞感を感じたりしてしまう可能性が高いのです。

やりたいことができている人は満足感が高くなりますね

子育てでは、「できること」つまり「強み」を広げていってあげたら、将来子どもが幸せになる可能性が高くなりそうだね

上の図のピンクの部分を広げてあげるってことですね!

子どもの強みを広げてあげることこそ、幸せのためにできること

まとめ

  • 子育てのゴールは「子どもを幸せにすること」
  • 幸福度と仕事は強く関係している
  • 子どもの強みを広げていってあげることが幸せのためにできること

子どものできることを広げる子育て

近年、社会が変化するスピードはどんどん速くなっていると言われます。その中で、どんな「できること」を広げてあげることが子どもの幸せにつながるのでしょうかでしょうか。

これからのブログの連載では、現代社会でこれから伸ばすべき力として注目されている「非認知能力」や「自己肯定感」「英語力」などについてそれぞれ扱っていきたいと思います。

次回以降のブログもお楽しみに!

参考文献

・「学校教育に対する保護者の意識調査2018」㈱ベネッセホールディングス ベネッセ教育総合研究所, 2018.
https://berd.benesse.jp/up_images/research/Hogosya_2018_web_all.pdf

・「幸福度に関する研究会報告」内閣府, 幸福度に関する研究会. 2011.
https://www5.cao.go.jp/keizai2/koufukudo/pdf/koufukudosian_sono1.pdf

・松村亜里, 『世界に通用する子どもの育て方』, WAVE出版, 2019.

・鈴木祐,『科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方』, クロスメディア・パブリッシング, 2019.