子供向けオンライン英会話で英語力って向上するの?

近頃よく聞くオンライン英会話ですが、実際にどれくらい英語力の向上に役立つのでしょうか。

今日は子供向けのオンライン英会話について、都内でバイリンガルを育てる英会話スクールを運営する私達が、英語のプロとしてその効果を考えていきたいと思います!

目次

そもそも子供の英語力向上に必要なものって?

英語はただやみくもに聞いたり、見たりするだけでは身につきません。では英語でコミュニケーションを取れるようになるには何が必要なのでしょうか。

私達は「学習時間・インプットとアウトプットの反復練習・楽しむこと」が特に大切だと考えています。

また、幼児期には第2言語としてではなく、母国語と同じようなプロセスで英語を学ぶことができるといわれています。詳しくは以下の記事をご覧ください。


学習時間

英語を身につけるには最低2400時間必要

言葉に限らず、何かを身につけるためにはどれくらい練習するかが重要です。では、日本人が英語を身につけるのにはどれくらいの時間がかかるんでしょうか。

答えは、最低でも2400時間といわれています。

Foreign Service Institute「外国語の研修成果と学習時間に関する資料(1973年)」という研究結果から、日本人が英語を習得する上では最低でも2400時間かかると考えられています。

日本の中高大での総学習時間は1000時間

日本人は中学・高校・大学でだいたい1000時間、英語を学習します。これは必要な時間の半分にもなっていませんね。日本人がずっと英語を勉強しているにも関わらず、ほとんど使えない理由の一つと言えるんです。

では、学校での勉強の時間を引いても、残り1400時間をどう過ごすか考えなければいけませんね。例えば週1回の1時間のレッスンの場合、なんと27年もかかることになってしまいます。実際には1週間に1回の記憶では定着させることが難しいので、もっと時間がかかってしまうことが想像できますよね。

どうやって英語学習の時間を確保するかが、まず第一の課題になります。

インプットとアウトプット

インプットとアウトプットを繰り返すことが大切

英語の習得にはインプットとアウトプットを繰り返し行うことが大切です。例えば単語を覚えるだけでは英語を話せるようにはなりません。逆に、何も知識がない状態で突然話すということもできないんです。

例えば車の運転でも、いきなり運転してみてと言われてもできるわけがありません。でも教本を読んだだけで、自分が実際に練習しなければ運転は上達しませんよね。それと同じで、英語もインプットとそのアウトプットを効率よく繰り返すことが重要です。

量と質はどちらも重視する必要がある

2400時間をどうやって価値ある時間にすればいいのでしょうか。ただぼーっとその時間を過ごしても、もちろん英語の練習にはなりません。たくさんの知識をインプットし、それをアウトプットする機会を設ける必要があります。また、初心者から上級者までそれぞれの子供のレベルに合わせて、そのレベルも変える必要があります。

これが少人数で学ぶことが英語力の向上に効果的といわれる理由の一つです。30人のクラスでの発言回数より、マンツーマンの方がたくさん喋れるのは当然ですよね。また、ネイティブの英語を聞かせるなど、何でも吸収する子どもたちだからこそ質の良い英語を学べる環境だと良いですね。

楽しんで好きになること

最後に、英語を主体的に続けるためにはまず楽しむことが大切です。オンライン英会話で英語に対する抵抗感が生まれてしまっては、英語を使える子に育つどころか逆効果になってしまうことも考えられるからです。

「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、人は好きなことには自分から集中して長い時間でも取り組むことができます。英語好きな子供にしてあげることが、その後の学習の成果を大きく左右すると言えます。

子供向けオンライン英会話では何ができる?

ここまでは英語力の向上に必要なものを見ていきましたが、それではオンライン英会話では、それぞれどんなアプローチができるでしょうか。早速見ていきましょう。

学習時間の確保

オンライン英会話の気軽さを活用しよう

オンライン英会話はいつでもどこでも受けられるため、気軽に学習できるというメリットがあります。送迎もないので、保護者の方の負担が少ないのも人気の理由の一つです。また受講料金が比較的安いので、もし毎日取り組もうと思った時のハードルは低いのがいいところですね。

一方で、子供向けの英会話は1回30分など短い時間が設定されています。もし週に2回のレッスンを受けても、2400時間に到達するのには46年もかかる計算になります。学校での勉強時間を差し引いた1400時間でも、レッスンだけでは26年以上かかってしまうんです。

インプットとアウトプット

オンライン英会話の多くは、マンツーマンレッスンを取り入れています。先生と一対一なので、苦手なところをたくさん勉強できますし、話す機会が多いのもいいことですね。

一方でオンライン英会話の場合、英語力向上のためのプログラムではなかったり、自分自身でカリキュラムを選んだりする場合もあります。そのため、フリートークになってしまうなど、ただのアウトプットばかりに偏ってしまわないように注意が必要です。継続的にお子様のレベルに合わせたインプットをしていく必要があります。

オンライン英会話には保護者のフォローが必須

オンライン英会話の最大の注意点としては、保護者のフォローが必須であるという点があります。そもそも、お子様は集中して30分間イスに座り続けられるでしょうか。ひとりでパソコンやタブレットを正しく操作できるでしょうか。慣れるまでは保護者が付き添ってあげる必要があります。

お家は英会話教室に比べて、ゲームやテレビなどの誘惑が多い環境です。まずは子供たちが英語に集中して取り組めるように、お母さんお父さんが環境を整えてあげましょう。

また、インプットとアウトプットの質を高めるために、予習や復習も大切です。レッスンの前後に、お子様がその日に学ぶこと・学んだことを一緒にみて、短いレッスンを効果的に活用できるといいですね。

英語を楽しむ

子供向けオンライン英会話のプログラムには、歌やダンス、ゲームなどが組み込まれていることが多いです。初めて英語に接するお子様でも楽しめるような工夫がされていると言えます。

スクール選びの際にもお子様の性格や英語学習の目的によって、お子様と相性のいいスクールを選ぶのも大切です。

【結論】オンライン英会話で身につく英語力

ここまで英語の習得に必要な「時間」「インプットとアウトプット」「楽しむこと」についてみてきましたが、いかがでしたでしょうか。

結論として、バイリンガルのように日常生活でも英語を使いこなせる子供を育てるには、ただオンライン英会話でレッスンを受けるだけでは難しいといえます。予習復習を含めて、しっかり集中して英語を学ぶ時間をとってあげなくてはならず、そのすべての時間において保護者の方の相当な努力が求められるからです。

一方で、英語を気軽に始めたい、費用を抑えて英語に取り組みたい、というようなゴールを目指す場合には、オンライン英会話は良いツールと言えるでしょう。いつでもどこでも気軽に英語に触れられるので、英語を習わせるハードルも低いと思います。

英語を好きな子に育てるファーストステップとして、まずはオンライン英会話がいいきっかけになるかもしれません。もし英語を不自由なく使える子供を育てたいとお考えの場合には、通学の英語教室などとの併用はいかがでしょうか。

参考文献

Foreign Service Institute「外国語の研修成果と学習時間に関する資料(1973年)」