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教育

2023.07.13

【Wingsこそだてゼミ】第16回 : 子どもの自主性を伸ばすために親ができることって?

自分で考えて行動できる子になってほしい!

皆さんこんにちは!今春からWingsインターン生として加わりました、Sakurakoです。梅雨明けも間近、今年の夏もようやく厳しさを増してきましたが、いかがお過ごしでしょうか?

 今回のテーマは「自主性の育み方」です!「我が子には幸せな人生を歩んでほしい」「自分から進んでやる子になってほしい」と思う親御様は多いかと思います。

自主性とは、「他人の保護や干渉を受けず、自分の判断で行動する態度」のことです。これは目まぐるしく変化する社会を生き抜くうえで、必要不可欠な要素と言えます。ですが、これは社会に出てから急に身につくものではありません。小さいころから自主性を培えるような環境を家庭や教育現場で提供して、はじめて身につくものなんです。

 

そこで、今回のこそだてゼミでは、子どもの自主性を伸ばすうえで親はどのような行動を取ったらいいのか、一緒に考えていきましょう!

このブログはこんな人に読んでほしい

  • これから子育てが始まる方
  • 現在2~5歳のお子さんをお持ちの方
  • 子どもを幸せにするヒントが欲しい方
  • 子どもが自主的に行動する方法を知りたい方
  • 子育て方法について悩んでいる方

目次

  • 子どもの自主性をはぐくむための方法って何があるの?
  • 放任主義を実践すると子どもにどんな効果があるの?
  • 家庭で実践できる子どもの自主性のはぐくみ方って?①
  • 家庭で実践できる子どもの自主性のはぐくみ方って?②
  • Wings×子どもの自主性を伸ばすための取り組み
  • 参考文献

子どもの自主性をはぐくむための方法って何があるの?

自主性をはぐくむための教育方法のひとつに、放任主義が挙げられます。ですが、放任主義と聞くと、多くの方がイメージするのは社会で生きていく上で必要なマナーや礼儀を教えず、ただの野放しにしておくといったものでしょうか?

アメリカの大学が出した論文によると、放任主義とはれっきとした指導法であることがわかります!

放任主義とは、生徒が自分自身の学習にもっと積極的になるように促す指導法を指します。

Walden University. (2022, October 22). When Is a Hands-Off Teaching Strategy Good for Your Classroom? Walden University. Retrieved June 23th from
https://www.waldenu.edu/online-bachelors-programs/bs-in-elementary-education/resource/when-is-a-hands-off-teaching-strategy-good-for-your-classroom

という意味とのことです。

正しい放任主義の定義はただ子どもをほったらかしにするのではなく、子どもたちが自主的に行動し、自ら考え、成長していく環境を全力で整えてあげるという子育て方法なんですね!

放任主義を実践すると子どもにどんな効果があるの?

放任主義とほったらかしの違いについて知ることができましたが、いざ子どもを放任するといっても、それって本当に大丈夫なの・・・?と疑問を抱くこともありますよね。

教育先進国であるオランダは、子どもの自主性を伸ばすための放任主義的教育であるコーチングが一貫してなされています!

ティーチング(Teaching)はご存じの通り、「教える」という意味ですが、コーチングはある論文によると、適切な挑戦とサポートを提供することと結論付けられています。(Griffiths, Kerryn, 2012)

オランダの学校では、コーチング以外にも自主性をはぐくむための取り組みを数多く実践しています。どんなものがあるか一緒に見ていきましょう!

1.子供の自主性(学びたい気持ち)を,とことん尊重する

2.子供の主体的な学びを育てる。

3.先生はコーチ的存在である。

4.先生はティーチングとコーチングを上手く使い分けている。

5.先生は子供の持っている思考力や計画性,責任感を信頼し,それを引き出すような関わり方をしている。

6.学力を伸ばすことのみならず,個人の尊重(自己肯定感と他人の尊重)や社会に出てから役に立つ生きる力を育てている。

7.自分で選択し,自分で考え,自分でやってみて,自分の学習プロセスや自己を省察する

というサイクルが,日常の学校生活で習慣化されている。

菅原秀幸, & 石川尚子 . (2015) .  「アカデミック・コーチングが教育イノベーションを実現する可能性 : オランダのコーチング主体型教育から考える」『開発論集』
 https://cir.nii.ac.jp/crid/1050845762453451392

オランダの学校では、子どもたちは小さいころから自分で選択し、考え、行動するというサイクルをこなしています。ですが、いざ子どもが困難に直面した時には、大人たちが子どもを正しい方向にサポートしていく環境や人材を配置することで、小さな成功体験を積み上げ、それが自信となり、自主的に行動を起こせるようになるのですね。

このような自主性をはぐくむ教育を小さいころから受けているオランダの子どもたちは、結果的に幸福度も高いことがわかっています。

ユニセフが行っている国ごとの子どもの幸福度を調査しているランキングでは、オランダの子どもの幸福度は世界1位に輝きました!

自主性を伸ばす教育方法は学業面だけでなく、子どもの人格形成にも良い影響を与えるということがわかりますね!

 

家庭で実践できる子どもの自主性のはぐくみ方って?①

オランダの学校では放任主義的な教育方法であるコーチング方法を使って自主性を伸ばすことができていましたね!ですが、保護者は家庭で子どもの自主性を伸ばすためにどのようなことをしてあげられるのでしょうか?

子育てや家庭教育に関する著書を多数出版しているAlfie Kohnによると、以下の5点に気を付けて子育てを行うと良いとされています。

子どもを無条件で受け入れる。すなわち子どもが行うことに対してではなく,子どもがその子である(whotheyare)ことで愛する。

・子どもが自分に関わる事柄について決定する機会を日常的に与える

・従うことを求めることよりも,子どもの状況に応じて必要であれば助言を与えることに焦点を当てる

・良くない行い(misbehavior)を,子どもが罰を受けるという「結果」に結びつく逸脱と見なすのではなく,問題解決と教育の機会と見なす。

・子どもの行動を引き起こす動機や理由を理解するために,行動の背後を見る。

Kohn, A. (1996). Beyond Discipline: From Compliance to Community. Association for Supervision & Curriculum Development.

意思決定の権限、つまり子どもが自ら考える機会を日常的に与えてあげること。また、「宿題しなさい」「片付けまだ終わってないの?」などと保護者がやってほしいことを求めるのではなく、子どもが今している行動に対して助言をしてあげること。これらはオランダの教育法のひとつであるコーチングを家庭で実践できるということですね!

上記の5点に気を付けて子どもと接することで、家庭でも子どもの自主性を伸ばすことができます!

次のチャプターでは、日常生活のどのような場面でコーチングを実践できるのか、具体例を使いながら見ていきましょう!

家庭で実践できる子どもの自主性のはぐくみ方って?②

このチャプターでは、子どもの自主性を伸ばすために日常生活で実践出来るコーチングをケースを通して学んでいきましょう!

 

<子どもが失敗したとき>

テストで思うように点数を取れなかった。クラブチームのレギュラーに選ばれなかった、宿題をやるのを忘れてしまった・・・など、子どもが思うように結果を出せなかったとき、どのような声掛けをしていますか?

 

「次頑張ろうね!」「大丈夫、大丈夫!」と励ますことで、前向きな気持ちになれる子どももいるでしょう。ですが、かなり落ち込んでいるときはすぐには気持ちを切り替えられないものです。

では、こんなときにコーチングを活用するとどのような言葉をかけてあげられるでしょうか?

子どもを無条件で受け入れ、結果だけではなく子どもの行動の背後を見る!

ケース:保護者Aの娘さんが算数のテストでうまくいかず、落ち込んで帰ってきました。

 

娘「算数のテスト全然できなかった」

Aさん「そっか。できなかったのね」(いったん子どもの言うことを受け入れてあげる

娘「もう無理、失敗した!」

Aさん「どこが失敗だと思ったの?」(質問して頭の中のアイデアを整理してあげる

娘「割合とか、比の計算がうまくできなかった。文章題も」

Aさん「次はどうしたらいいかな?」(目標の再設定を手伝ってあげる

娘「公式をちゃんと覚えて、なんでこの式になるのか理解して使えるようにしたい!」

Aさん「そうだね!勉強法を見直すいい機会になったね!」(子どもの決定をとことん尊重!



前述したKohnの引用にもあるように、子どもの存在自体を受け入れてあげることは子どもの自主性を伸ばすための重要なひとつのステップであると言えます。

子どもを結果だけで判断し、「なんでできなかったの?」と口出しすると子どもは委縮してしまうだけですが、保護者が子どもの行動の背景を理解としようとすることで、子どもは自分の行動のプロセスをを見つめなおすことができます。

また、保護者(コーチングを行う側)が、失敗を「良くないこと」「したらダメなこと」として子どもに接するのではなく、問題解決と教育の機会とみなして接してあげることで子どもたちは失敗を恐れずに行動するようになります!

コーチングの根幹である目標設定、行動、振り返り、再度目標の設定。

保護者は家庭でこのサイクルを起こせるような質問を日常会話の節々で投げかけてあげることで、子どもたちは自ら考えて、行動に移すようになり、そこで得た成功体験が「自分ならできる!」という確固たる自信につながります!

 

冒頭で述べたように、自主的に行動するということは、大人になって急にできるようになるものではありません。

子どもたちが親元を離れる時が来たとき、自ら考え、行動できるようになっていたら、保護者としてこんなに嬉しいことはないはずです。急速に変化していく予測不可能な時代を生き抜くために、自主性を伸ばす子育てを取り入れてみてはいかがでしょうか。

Wings Global Homeでの取り組み

ここまでご紹介させていただいたとおり、子どもの自主性を伸ばすための子育ては英語教育だけでなく、子どもの成長においてもとても大切です。

また、自主性は非認知能力(EQ)の要素の一つでもあり、それは小さな成功体験の積み重ね、挑戦したいと思わせるコーチングを実践することで育まれます。

Wings Global Homeでも、先生1人に対して生徒5名の少人数制を敷くことでコーチングを可能にし、子どもたちに小さな挑戦を与えることで、日々子どもたちの自主性をはぐくんでいます。

例えば、「ジョブチャート」と呼ばれる係りの仕事では、子どもたちは生き物係や配膳係など様々な係りを担い、任された仕事を最後まで自分でやりきるという成功体験を積み上げることができます。また、係りの仕事を通して人の役に立つという感覚を経験してもらい、沢山褒めることで子どもたちの自尊心を育てています。

英語学習に関しても、スクールでは「サークルタイム」というプログラムを行っており、子どもたちは毎月一つのアルファベットから始まる英単語をどれだけ言えるかというゲームをします。一番多くの英単語を言えた子にはご褒美ステッカーを挙げるなどで子どもたちを勇気づけ、達成感、喜びを実感できるようにしています。

上記のような自主性を伸ばす取り組みをWings Global Homeで培った子供たちは、スクールの外でも日本人離れしたコミュニケーション力と自主性でのびのびと活躍しています!

こちらの記事もぜひご覧になってください!

参考文献

Griffiths, K. (2005). Personal coaching: A model for effective learning. Journal of
Learning Design, 1(2), 55-65. http://www.jld.qut.edu.au/

Kohn, A. (1996). Beyond Discipline: From Compliance to Community. Association for Supervision & Curriculum Development.

菅原秀幸, & 石川尚子 . (2015) .  「アカデミック・コーチングが教育イノベーションを実現する可能性 : オランダのコーチング主体型教育から考える」『開発論集』(p.15)

ユニセフ報告書「レポートカード16」発表 先進国の子どもの幸福度をランキング|日本ユニセフ協会|プレスリリース. (n.d.). 日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会). https://www.unicef.or.jp/news/2020/0196.html

Walden University. (n.d.). When Is a Hands-Off Teaching Strategy Good for Your Classroom?

https://www.waldenu.edu/online-bachelors-programs/bs-in-elementary-education/resource/when-is-a-hands-off-teaching-strategy-good-for-your-classroom

 

 

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